大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(あ)741 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人及び弁護人喜多辰次郎、同喜多良雄の各上告趣意は、いずれも違憲を

いう点もあるが、結局は、単なる法令違反と量刑不当とを主張するものに過ぎず、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、同四〇二条にいわゆる「原判決の刑

より重い刑を言い渡す」とは、控訴審の判決主文における科刑を第一審判決のそれ

にくらべて重くすることをいうのであるから、被告人が控訴をし又は被告人のため

控訴をした事件について、控訴裁判所が第一審において併合罪の関係にあると認め

て有罪とした数個の犯罪事実のうちの一部分を無罪としながら、なお第一審判決と

同一の刑を被告人に科しても刑訴四〇二条に違反しないこと明らかである。記録に

よれば、第一審は総計七四件に達する窃盗の犯罪事実を有罪と認めて被告人を懲役

一年に処し、被告人より控訴をし、控訴審は、右犯罪事実のうち三件を無罪と認め

て、第一審判決を破棄自判し、被告人を懲役一年に処しているのであつて、控訴審

の判決主文における科刑は第一審判決のそれと同一で、重く変更されたわけではな

いから、原判決には所論指摘の違法はない。当庁昭和二五年(れ)第二二九号、同

年六月一三日第三小法廷判決、刑集四巻六号九八九頁及び同年(れ)第七五七号、

同年一一月一〇日第二小法廷判決、刑集四巻一一号二二五〇頁各参照。)また記録

を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三三年七月二五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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